積極的に虎の威を借りていけ。
『虎の威を借る狐』という話がある。
概要としては虎に食べられそうになった狐が「いや食べへん方が身のためやで。ワイ神の使いやしな」と嘘をついたあとに「その証拠を見せてあげるので付いてきな」と言うわけです。
虎はとりあえず信頼して付いていくと、なんと狐をみんな避けていくではないか。こりゃ狐の言ったことはほんとだな……と信じて狐は命拾いするわけですが、
これは一般的には「強いひとの力を借りて虚勢を張るゴミカス」という皮肉として使われる故事成語なんですよね。
でも私は思うんですよ、いや、これは狐を褒め称える場面では??? と。
虎に襲われた! という危機的状況に機転の利いた「神の使いだよ」という嘘をつく。しかしそれだけでは信じてもらえないので「付いてきてよ」というわけです。
この時点でこの狐の脳内には、虎が後ろを付いてくることで他の動物が避けていく→実際はみんな虎を怖がっているが、虎は狐が畏れられてると誤解する→助かる というビジョンが完成しているわけです。
しかも今後この狐は虎に襲われることもなく、なんなら他の動物にも「あいつ虎の仲間だからからかわない方がいいぜ」と恐れられるわけです。
狐は短時間で起死回生の一手を打ったどころか、今後の生活まで豊かで平和なものにしたんですね。
この『虎の威を借る狐』という故事成語は、もしこの話をベースにするのであれば権力者のそれを傘に着ている人間に対する皮肉にはならないと私は思うんですよね。
この話の中での狐的なずる賢さは、我々として見習うべきところがあるのでは?
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