本日の学び舎での報告を致しますわ、お母さま

　今日の学び舎は一限目からでしたので、わたくしは6時には起床致しました。

　いつものことですけれど、わたくしの朝の髪の毛はいつもまるで鳥たちのお家みたいにちぢれておりますので、庭の噴水で優雅に洗い流しました。

　最高級の今治タオルで髪の毛を軽く乾かしたあとは、小鳥たちの出番。彼女たちが私の髪の毛を綺麗にセットしてくれます。

　学び舎では……なんでしたっけ、カール？という髪型が流行っているそうですけど、私はこのショートカットをやめるつもりはありません。世俗にすぐ染まるのは、同学年の子たちにありがちだと思います。お母様もそう思うでしょう？

　支度を終えると運転手が迎えに来ます。
「いつもご利用ありがとうございます」だなんて、まったくいつものことなのに律儀な挨拶ね。

　ふかふかのシートに座って学び舎に着く頃には、なんと授業の15分前ではありませんか！

　まったく運転手は何をしてたの！？ しかし言っていても仕方ありませんので、私は少し急ぎ足で学び舎に向かいます。目の前でおろしてくれればいいのに、いつも徒歩5分くらいの距離におろすんですのよ、あの運転手。

　なんとか間に合って席に着きます。まだ人はまばらで、どうやら遅刻してくる子も多いようでした。

　いつも一緒に座るご学友が後から来たので手を振ろうとしたら、なんと私とは違う子の席の横に座るではありませんか。

「（なに……？ 心変わりをしたっていうの……？）」

　しかしそんなことを言いに行くわけにもいかないので、わたくしは一人で先生の到着を待ちます。

　先生は授業時間ちょうどにお越しでした。

「はいじゃあ出席を取ります。……小佐内美星さま」

「はい」

　……英語の授業は、特に何もありませんでした。

　2限目はおふらんす語のお勉強ですの。
　私は今年3個もおふらんす語の授業を取ってしまったのですが、これは2年生以上を対象とした授業。

　先生は「1年生に合わせますね」とペースを緩めてくれているからか、私でもついていけないことはありません。

　この先生は授業の開始時間をいつも10分遅らせ、語学の集中は90分も持たないからと50分くらいで内容を終え、15分くらいおふらんすの文化などの雑談をして、めちゃくちゃ早く授業を終わります。

「美星さまは僕の授業を3つも持ってるんだよ」

　とクラスの人に話すので、少し恥ずかしかったですわ。

　三限もおふらんす語でした。ここではなんと先生は25分も雑談し、授業は15分前に終わりました。めちゃくちゃですわ。でも内容は濃いので、おもしろい授業ですわ〜と思っておりますわ〜。

　そのあとは華道の修行まで時間があったので、ご学友がたと食堂で落ち合い、お嬢様学の課題を一緒に解きました。

　しかし私たちもお年頃。課題は少しだけ進めて、ほとんどの時間を談笑で過ごしてしまいました。いえ、お母様、ちゃんと課題は先程終わらせましたわ。

　今度一緒に茶道を嗜みましょうね〜と別れて、華道の修行を終えて、たった今帰宅したところですの。お母様、おやすみなさい。

　なんだこれ

　　終
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