天啓観測

Hi zombies!

進路に悩む高校生諸君、聞け。

 

 

 聞くんだよ。いいか、一番好きな専門を専攻したいか。哲学が好きか。そうか、では文学部哲学科に入りなさい。教師になりたいか、教育学部に入りなさい。と、いう大人を信用しないようにしなさい。

 

 君たちが好きなそれは、本当にその本質であるか。表面的ではないか。部分的ではないか。君は哲学が好きなのか、ニーチェが好きなだけでは。

 

 ということをまず言いたいのですが、つまるところですね、専攻を「好き」で決めるとだいたい痛い目を見るのですよ。まず、大学の講義というのは、ゼミや大学院に行かない限りは「入門編」でしかないということです。学生はその講義についてより知りたければ、専門書を買って自分で勉強するしかないということです。それは当然のことでは、と言いたくなると思うのですが、考えてもみてくださいよ。結局専門書で得る知識は講義で得る程度の知識を超えます。つまり、好きなことは自分で勉強できるのです。

 

 行く大学の教授が、あなたの好きな人である可能性がどれだけあると思いますか。あなたの考えとどれだけ一致していると思いますか。教授は平気で特定の政党の悪口を言うこともあるし、講義をめんどくさがることもあるし、君の好きな哲学者を否定することもあるでしょう。そうですね、熱意に対するノイズがある、ということを言いたいのですよ。

 

 一番ちょうどいいと私が考えるのは、「興味はあるが放っておいたら一生勉強することがなさそうな分野」です。好きなことは放っておいてもやるのでしょう。では、放っておいたらやらないそこそこ興味のある分野は? これをやらないのはもったいないですよ。興味があるのに。

 

 私の例でいえば、哲学や言語が好きだったので哲学科か語学部が選択肢だったのですが、哲学も言語も結局自分でやっているわけですよ。その上でそこそこ興味があったけど放っておいたらやらんかった「法律」を大学でやっているわけですね。「入門編」を教えてもらいながら、興味があれば深堀りしつつ、好きなことは好きなことでできているので。

 

 私の例だけだとあれなので、私の通っている大学教授の例もあげましょうか。フランス語を教えてくれている教授は学生時代「政治経済学部」でした。教育学を教えてくれている教授は「史学科」でした。大学教授になるためには大学院も出てしっかりと論文書いて実績出さなきゃいけないわけで、まったく異なる学部出ながら好きなことを教えているわけですよ。だから四年間何を学ぶかを、ただ「好み」で決めるとよくねえこともたくさんあるかもよ、ということです。おわり。

 

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