数学あるある

　たかーいたかいたかい空にながーいながいながい夢を見てる、そういう時代が、あっ、たと、さ。そう上司の高橋田中Ⅲ世Ⅳ世が言った時、ああ、そういえば昔もこんなことがあった気がしないでもないでもないな、と思ったりしないでもないでもなかった、というのが私のお終いの始まらないで候蟋蟀。始まらなかったのは私の4歳の時の記憶のもののものだった。
　お義母さん、私ね、幼稚園でね、逆上がりがね、できるようになったの。私のたどたどしい舌足らずの言葉に母は親は保育園と嘆くのを聞いて私が何と聞き返すとあなたは幼稚園ではなく保育園に通っていますと言われた時にはもう携帯電話のキャリアは三つだけがせめぎ合っている状態だったのよと父は言うのもやめるほどに暑い暑い夏の風呂場のティッシュの中身を見ているときの上司の高橋田中3世4世の顔と言ったらないわよねという醜悪な悪口を言う方が悪いのかそれとも言われる方が悪いのかという問題を常に孕んでいますとキャスターが神妙な面持ちで伝えるのがシーンとして映るドラマの劇中劇の中に小道具として持ち込まれた新聞は1927年のものであると台本には書いてあったと俳優は言ったと書かれるインタビューを掲載している雑誌。