天啓観測

Hi zombies!

隙有自語

 私の大学は小中高とそこそこ真面目にやってきた人なら入れる程度の大学と言われている程度の大学であり、誰でも名前は知ってるが別に両手を振って褒められるような大学でもないし、貶されるような大学でもない。法学部でありさえすれば一目置かれても良いか、くらいである。
 be動詞もナチスソ連もカサナラ変も知らなかった状態から2,3年で目指す大学としては、そのまま生きていくルートをわざわざドロップアウトしてまで行っても良さそうな最低限の大学で、恐らくは最高のラインだったから、私は憧れの大学がないではなかったが、センターと一般の申込を単願でやり、センターの結果的に確実に行けそうだったので一般試験に行かなかった。そして受かった。
 入学式、は行かなかったけれど、入学後のガイダンスで、何らかの会長が登壇すると、開口一番「君たちは上の大学を落ちた人たちだと思うが、」みたいな話を始めたので、ある程度驚いた。とはいえ、それで怒っていいのは私くらいのものである。単願で受けた大学だし、愛着がないではないし、入学資料を見てうきうきとしていた矢先の残念な演説だったから。
 しかしクレームを入れたのは私ではなく、誰か知らぬ生徒のようだった。次の日には何かの教授が昨日の件についての謝罪の意を述べ、まあなんとなくその後で教授たちも噂するような事件に納まったわけではあるけれども、とかく私が気になるのは、そのクレームを入れたのは、私と同じようにここを最高のラインで設定した学生であったのだろうか、ということである。つまり、小中高とそこそこ真面目にやってきた人は、彼の言葉は痛いくらいの図星だったわけだから、腹の虫が暴れるのはともかく、飲み込んで自省すべきであると思わなければならなかった。
 入学後の英語のテストでは、クラス分けで最上級のクラスに入れたと説明された。成績の上位しか貰えない給付の奨学金は、きっちり私が貰った。
 君たちは、中学では学級委員長をやっていて、高校ではホームステイをしていたのに?
 私が言いたいのはだよ、私が。私が言いたいのは、なんで私が苦学生なのか。なんで君たちは毎年のように旅行に行けて、私は労働を行わなければならないのか。そうでなければならなかった理由が何か一つでも? 結果論としての運命が、間々私に牙を剥くのは、そうでなければ私が、私が核兵器のボタンを押してしまうからだろうか。つまり――