天啓観測

Hi zombies!

音楽でイくってどういうことだよ

 

 音楽的オーガズムを説明するのはなかなか厳しい。仲のいい友人にはよく話すが、あまり理解されたことは無い。気持ちいい音楽は確かに存在するけれど、それで性的な気持ち良さを経験するってどゆこと???ということだと思う。一応断っておくが、私は性的な対象として音楽を見ているわけではない。音でならなんでも興奮する変態だと思わないでほしい。しかしともかく過敏な聴覚反応からえげつねえ悦楽を得るのは確かであり、音楽を聴く時に刺激される脳の分野はドラッグやセックスとそう変わりないらしいので、私だけが特別ということもないだろう。(美星かわいいからえっちなこととか全然分からないんですけどぉ……なんか酔ってきちゃったし終電も無くなっちゃったし運命が呪わしいなあ……🥺)この感覚を示すには、あなたに「イける音楽」を見付けていただく必要があるし、そういうのはなかなか難しいかもしれない。けれど私がはあと吐息を漏らし打ち震えた楽曲の一覧を示すことで、私と似た脳みそをしている人間は初めてそれを感覚をするかもしれない。ほら、聴け! 大人の音楽の授業の時間だ! 聴け、聴けよ! 24601番! 独房では静かにしろ!

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ラフマニノフピアノ協奏曲第二番
 私がこの現象に「ラフマニノフ現象」と名付けたのは初めての相手がラフマニノフのピアノ協奏曲第二番だったからだ。私と同じ人間いないのかなと思って「音楽 イク」で検索するとトップにこの曲が出てくるので、この曲でイった人はどうやら多いらしい。キモ同志である。
 ラフマニノフは音楽のカタルシスを作るのがうまく、メロディを横に逸れに逸れてテーマを回収するということがめちゃくちゃ上手い。「赤ずきんちゃんと狼」みたいな曲でも著しく明らかだが、「ああそっち!? 一旦そっちね!? えーーっ! 急にはよして~~~!!!」ということである。第一楽章はもとより、第三楽章なんかは単にオーケストラヒットを使いまくった脳筋プレイであり、第一楽章で脳天ぶち抜かれて第二楽章で骨抜きにされた後には耐えられたものではない。今日はなんか元気な日だね……である。ちなみに第三番の第一楽章もなかなかエロいです。

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ショパンピアノ協奏曲第一番
 こいつはただピアノ協奏曲が好きなだけなんではないか。いや、そうかもしれない。ピアノ協奏曲というのはピアノの表現力をストリングスや金管が補う至上の音楽形式であって、ピアノのバスを強めたり高音をさらに高めたりすることが可能で、それでもってあらゆる交響曲よりメロディアスになるんである。ショパンのピアノ協奏曲は、ショパンがピアノの人だからピアノの独善的表現が多く、とくに第一番第一楽章のラスト数分はピアノのためにあらゆる楽器が従うという独裁国家の様相で殴りかかってくる。この、この数分……この数分のために導かれたあらゆるメロディーが私をオーガズムに達させるんだ……。第二番はその一方でストリングスが割と頑張る。前半のオーケストラは有頂天ものです。

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モーツァルトのレクイエム「涙の日」
 モーツァルトのレクイエムはどれを取っても最高だけれど、涙の日の快感は比じゃない。混声の最終形態だと思う。絶望を帯びながらクライストへ思いを馳せ、罪ある物への裁きを、白い精神が行う、そういう水滴を肌に浴びて興奮する。

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アヴェ・マリアカッチーニ
 この曲でいくつの短編小説の文章を思い付き、いくつの文章を書いたか分からない。全体を通して脳が揺れて気持ち良くなる。この悲嘆に暮れる感覚はなかなか味わえたものではない。ストリングス・アレンジがいちばんいいよ。高音で脳髄から足先まで痺れろ。

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・Vinyl
 このままだとただのアンティーク趣味の変態だと思われかねないので、現代ポップもあげます。私がクラシックを除いて初めてイかされたのはKing Gnuのこの曲であり、随所の花魁ベース、高音と低音のツインボーカル、サビの爆発感、ギターの熟練されたリフ、なにをとっても人を快感に導くためにできているとしか思えない。

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・シャイノグラフィ
 サビでさらに音階を登っていく。その音階の背景にあるのはもはや地上も見えぬ青空である。アイドルマスターシャイニーカラーズの楽曲はわりかしどれもすごいが、この曲を初めて聞いたときはブラクラを食らった時みたいにスマホとイヤホンをぶん投げた。そう、もう無理!!と言ったのである。高揚感がもう半端ではない。数人のユニットで歌われて、その微妙な声質のユニゾンのズレが悦楽を誘うのである。モーツァルトの書いた混声かもしれない。ドラムの疾走感もやばい。

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・きゅうくらりん

 こいつは気が狂っている。いよわ楽曲は数多の音楽家が尖ろうとして失敗してきた音楽を初めて成功させているといつか表現したことがあるが、このきゅうくらりんが最もポップにそれを成功させた。ボーカロイドでしか不可能な表現、無機質だからこそ表れる快活な陰鬱。大サビの転調で最高の気持ちよさを得ることができます。歌詞をリズムに取った最高の形式。

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 看守が怒っているので、今日はこのくらいにしておきます。音楽的オーガズムに幸あれ! いずれまた好きな音楽の話をしましょう。さようなら。ぎい、がちゃん(牢の閉まる音)